Pandemic Contagion(パンデミック 伝染)

Z-Man Gamesから昨年末に発売されたPandemicシリーズのスピンアウト2作の内の1つがこのPandemic Contagion(パンデミック 伝染)です。国内では未流通で話題に上がることもほとんどありません。

2015年現在、未だにエボラウイルスの感染が終息しない状況において不謹慎だと思われているのか、人気があるのはスピンアウト作のもう片方であるPandemic the Cureばかりでこちらは全くと言っていいほど、話題には出ません(少なくとも国内では)。

デザイナーがPandemicシリーズのMatt Leacock氏ではなく、Carey Grayson氏が担当しています。

Pandemicシリーズのデザイナーと異なるというのも話題に出ない理由の1つかもしれません。

そういう状況でゲーム紹介記事を書く私も私ですが、ゲーム自体には罪はないので紹介を書いてみます。

コンテンツ

  • 伝染カード x 60枚
  • 都市カード x 24枚
  • イベントカード x 12枚
  • WHOカード x 6枚
  • プレイヤー病原体ボード x 5枚
  • スコアマーカー x 5個
  • シャーレー x 5皿
  • 病原体キューブ x 75個
  • スコアボード x 1枚

ゲームの準備(3〜5人用)

プレイヤーの好みの方法で最初のプレイヤーを決めてください。

各プレイヤーは選択した色のスコアマーカー1個、プレイヤー病原体ボード1枚、シャーレー1皿、病原体キューブ15個を受け取ります。
病原体ボード
病原体ボード

病原体キューブを病原体ボードの各変異バー上のレベル1の位置に置きます。

右の図で潜伏、感染、抵抗力の列が各変異バーで、上の白い数字がレベルを表します。
各変異バー上のレベル1のところに病原体キューブが置かれています。

シャーレーを病原体ボードの円内に置き、残りの病原体キューブ12個をシャーレー内に置きます。
各プレイヤーのスコアマーカーをスコアボードの1の近くに置きます。
伝染カードを混ぜて、各プレイヤーに4枚づつ配ります。残りの伝染カードは山札として置きます。
都市カードを混ぜて、プレイ人数に応じた枚数を表向きでテーブル上に並べます。
3人プレイ:8枚
4人プレイ:9枚
5人プレイ:10枚
残りの都市カードは山札として置きます。
最後のプレイヤー(訳注:スタートプレイヤーは最初に決めているので、スタートプレイヤーから時計回りの順番で最後になるプレイヤーを指す)から反時計回りの順番で、各プレイヤーは選択した都市カードの上に自分の病原体キューブ1個を置きます。
イベントカードとWHOカード
イベントカードとWHOカード

イベントカードとWHOカードを別々に混ぜて、それぞれのカード束から3枚づつカードを見ないように取り除きます。

残りのカードでイベントカードデッキを作ります。
下から上に向かって、WHOカード1枚、イベントカード3枚、WHOカード1枚、イベントカード3枚、WHOカード1枚、イベントカード3枚の順番に合計12枚のカードを裏向きで重ねます。
右の図では柿色がイベントカード、水色がWHOカードです。
イベントカード3枚の後にWHOカード、またイベントカード3枚の後にWHOカードと続いています。
イベントカードの束を山札として置いて、準備は完了です。

目標

このゲームにおいてプレイヤーは致死性の病原体としてプレイし、世界中に感染を広げて人類の絶滅を目指します。

ゲーム終了時に、最も多くの死者数(得点)を出したプレイヤーが勝利します。

ゲームの進め方

各ラウンドの始めにイベントカードの山札の一番上から1枚をめくって公開し、すべてのプレイヤーに内容を読み上げます。
スタートプレイヤーはイベントを解決(カードに解決方法は書かれています)し、2回のアクションを行います。そして手番終了後は、時計回りの順番でゲームを続けます。

アクション

プレイヤーの手番では、可能な3つのアクションの内、2つまでを好きな順番に行う事ができます。同じアクションを繰り返しても構いません。
  • カードを引く
  • 都市に感染を拡げる
  • 病原体を変異させる

カードを引く

潜伏変異
潜伏変異

伝染カードの山札から、プレイヤーの潜伏変異で決められている枚数分のカードを引いて、プレイヤーの手札に加えます。もし、手札の枚数が9枚(手札枚数の最大)を超えている場合は9枚になるまでカードを捨てなければなりません。

右の図では潜伏変異はレベル2の位置にキューブがあります。したがって、山札からは2枚のカードを引くことができます。

都市に感染を拡げる

感染変異
感染変異

プレイヤーの感染変異のレベル数まで、都市に病原体キューブを置きます。都市に最初に置くプレイヤーは1番目の列に、2番目に置くプレイヤーは2番目の列というように、4番目の列まで同じように自分のキューブを置きます。

プレイヤーは新しい都市に感染させる、または現在感染している都市にさらに拡げる事ができます。
右の図では感染変異はレベル3の位置にキューブがあります。したがって、都市に感染する場合は自分の病原体キューブを3個同時に置くことができます。
また既に黄色プレイヤーがキューブを置いているため、青色プレイヤーは2番目の列にキューブを置きます。

新しい都市に感染

プレイヤーが感染させたい都市に適合する色のカード2枚を捨てなければなりません。他のキューブが置かれていない利用可能な列にプレイヤーの病原体キューブを置きます。

感染している都市

プレイヤーが現在感染させている都市に適合する色のカード1枚を捨てなければなりません。都市カードに既に置いているキューブの隣に病原体キューブを置きます。

色を問わずカードを2枚捨てることで、必要な色のカード1枚分とすることができます(ジョーカー)。

注意

イベントカードの結果、または都市カードの特別なアクションによっては、プレイヤーのキューブを都市カードからすべて取り除くこともあります。この場合、取り除かれたプレイヤーが置いていた列より下に置いているプレイヤーのキューブはすべて1列上に移動します。

病原体を変異させる

病原体の変異
病原体の変異

すべてのプレイヤーの病原体は異なる3種類の方向に変異させることができます。変異レベルが高いほど、病原体は強くなります。

プレイヤーが病原体を変異させたい場合、病原体の3種類の変異のうち1つを次のレベルに進化させます。

変異する場合は、次のレベルへのコストとして黄色い数字分のカードを手札から捨てる必要があります(捨てるカードの色は関係ありません)。

右の図では潜伏変異をレベル3から4に変異させます。レベル3から4へのコストは黄色い数字で4と描かれています。したがって、手札から4枚のカードを捨てなければなりません。

  • 潜伏変異
    「カードを引く」アクションで、プレイヤーが引くことができる伝染カードの枚数です
  • 感染変異
    「感染を拡げる」アクションで、都市に置くことができる病原体キューブの数です
  • 抵抗力変異
    イベントやWHOカードから守ることができるカード、病原体キューブ、変異の数です。

注意

プレイヤーは1回のアクションにつき1レベルだけ進化させることができます。

抵抗力

抵抗力
抵抗力

プレイヤーの病原体の抵抗力は、イベントやWHOカードの効果から自分のカード、病原体キューブ、変異を守ることを可能にします。

各レベルの数字は、プレイヤーが守ることができる要素(カード、キューブ、変異)の数を表します。

プレイヤーが抵抗力を使用した場合は、抵抗力に置かれているキューブを1レベル下に移動しなければなりません。

右の図ではレベル2で抵抗力を使用したので2枚のカードまたは2個のキューブを失わずにすみます。ただし、レベルは1に下がります。

さらに抵抗力を使用すると1枚のカードまたは1個のキューブを失わずにすみますが、レベルは0に下がります。

(訳注:変異も守る対象になっていますが具体例がなく、またイベントカードの効果を見ないと確認できないため、ここでは触れません。)

イベントカード

政治、天候、社会的なイベントは、プレイヤーの病原体の拡散に良いまたは良くない効果をもたらします。

イベントカードが公開されるとき、このカードは有効になり、このラウンドの各プレイヤーの手番中に解決しなければなりません。

注意

ルールと異なる事がカードに書かれている場合は、カードに書かれている事が優先されます。

WHOカード

WHO(世界保健機関)の目標は、病原体の撲滅にあります。

WHOカードが公開されるとき、このカードは有効になり、このラウンドの各プレイヤーの手番中に解決しなければなりません。

新しい都市

イベントカード上に都市シンボルが描かれているときはすぐに、プレイエリアにある都市カードの山札から新しい都市カードを追加します。これはゲームに新しい都市が追加される唯一の契機です。


得点計算

ゲーム中、プレイヤーは死亡者および都市の崩壊による得点が発生したときに、得点計算を行います。得点を記録するためにスコアボードを使用します。

死亡者得点

髑髏マーク
髑髏マーク

プレイヤーは各ラウンドの始めにイベントカードの山札からカードを1枚公開します。2枚目(4枚目および6枚目も同様に)の髑髏マークが描かれたイベントカードが公開されたとき、直ちにすべての感染している都市で得点計算が発生します。

右の図では1枚目のカードに髑髏マークがありますが、まだ1枚目なので何も起きません。その後、髑髏マークがないイベントカードが続き、次に再度髑髏マークがあるイベントカードが並びます。ここで髑髏マークのカードが2枚目となったため、死亡者得点の計算が発生します。

死亡者による得点
死亡者による得点

各都市ごとに最も多くの病原体キューブを置いているプレイヤーは、都市カードの(右上にある数字の内)一番下にある数字を点数として獲得します。キューブが同数の場合は、都市カードに先に置いている(カードの上により近い列)プレイヤーが点数を獲得します。

右の図では右上から4、3、1と数字が並んでいますが、この一番下の1が死亡者得点として獲得できる点数になります。

都市の崩壊

各都市はおおよその人口(100万人単位)を持っています。各都市のキューブは感染した人100万人を表します。したがって病原体キューブの数が都市の人口と同じになったとき、病原体キューブの配置は中止(感染できる人がいない)して都市の崩壊による得点計算を処理します。

注意

最後の病原体キューブを置いたプレイヤーが、都市カードの効果を実行することができます。1回だけ実行できます。「すぐに実行(Play Immediately)」カードは得点計算の後にすぐに使用し、裏向きにしてテーブルに置きます。

「望むときに実行(Play When you want)」カードは後で使用するために温存することができる以外は同じです。

重要

抵抗力は、都市カードの効果からはプレイヤーを守ってくれません。

都市の崩壊による得点

都市カード
都市カード

都市の崩壊による得点が発生したとき、都市の点数を計算します。最も多くの病原体キューブを置いているプレイヤーは、人口の数字を点数として獲得します。2番目に多くの病原体キューブを置いているプレイヤーは、(人口の下にある)2番目の数字を点数として獲得します。3番目に多いプレイヤーは3番目の数字を点数として獲得します。同数の場合は、都市に先にキューブを置いた(カードの上により近い列)プレイヤーが点数を獲得します(死亡者数得点と同じように)。


右の図では赤色プレイヤーが2個目のキューブを置いた時点で、キューブの合計が都市人口(右上の赤い数字8)と同じになったため、ここで都市が崩壊して得点計算が発生します。

一番多くキューブを置いている黄色プレイヤーが右上の一番上の数字8を点数として獲得します。

次に2番目に多くキューブを置いているプレイヤーは青色と赤色のプレイヤーになりますが、青色プレイヤーが先にキューブを置いているので、2番目の数字5を点数として獲得します。

赤色プレイヤーは得点を獲得できませんが、最後にキューブを置いたので都市カードの効果を使用することができます。

都市カードの効果は「Take an extra action」、つまりもう1回アクションを実行できる効果です。さらに「Play Immediately」と描かれているので、すぐに効果を実行しなければなりません。


ゲームの終了

最後のWHOカードが公開されたまたは残りの都市カードが2枚しかないとき、このラウンド終了後にゲームは終了します。

最後の得点計算

変異レベル合計での得点
変異レベル合計での得点

ゲーム中、プレイヤーは死亡者数と都市の崩壊により点数を獲得し、スコアボードに記録しています。ゲームが終了したとき一度だけ、残っている感染している都市すべてで死亡者数による得点計算を行います。

さらにプレイヤーがゲーム中に達成した各変異レベルの累積(訳注:ゲーム終了時の各変異レベルの合計)も点数に加えます。

右の図では潜伏変異がレベル2、感染変異がレベル3、抵抗力変異がレベル1であり、合計6点を点数に加えます。

これらによって得た合計点数がプレイヤーの最終的な得点になります。

勝利条件

最も点数が高いプレイヤーが総合的に勝利します。同点の場合は、3種類の変異レベルの合計が最も高いプレイヤーが勝利します。それでも同点の場合は、お互いの勝利を称え合いましょう。


2人プレイ

右下に2人プレイ用アイコンがない都市カードをすべて取り除きます。残ったカードを混ぜて、テーブル上に表向きで6枚の都市カードを並べます。それ以外は同様に準備します。

各ラウンドの始めに、伝染カードを1枚めくってカードと同じ色の都市に中立色の病原体キューブを置きます。該当する色の都市が複数ある場合は、最も人口が多い都市に置きます。該当する色の都市がない場合は、もう1枚伝染カードを引いて同様にします。

中立色の点数計算は中立色のプレイヤーがいると見なして、通常通りに計算します。

注意

このヴァリアントは3人と4人プレイのときに使用しても構いませんが、都市カードは取り除かないでください。


以上がルールですが、内容的にはごくごく標準的なルールではないかと思います。山札から引くカードが、病原体を都市に感染させたり、自身を変異するための資源となっていて、このカードを如何にうまく集めるかが感染拡大の第1歩と言えます。

都市の感染による点数を得るためにはキューブを他プレイヤーより増やすか、または早く感染させなければなりませんが、どちらを取るかは状況次第だと思います。キューブの数も限りがあるため、無駄にキューブを置くことは避けるべきでしょう。場合によっては2位で良しとするのもアリだと思います。広く感染させていくか、または感染させる都市を限定してキューブをつぎ込むかの戦略が取れそうです。

変異に関しても同様でレベルは4までありますが、最大まで上げるか、もしくは変異よりは感染を優先させるべきかは状況をみて判断する必要があるでしょう。

面白い内容であるとは思いますが、テーマでかなり好き嫌いが分かれそうだと思います。気分的にはこちらよりもPandemic the Cureの方をプレイしたくなるかもしれません。

現時点は国内での取扱はアナウンスされていないため、入手する場合は海外のショップで購入するしかないと思います。